結論:子どもの立ちくらみや朝起きられない症状の背景には、起立性調節障害という自律神経の働きに関わる身体の状態が関わっていることがあります。怠けや気持ちの問題と決めつけず、症状が続く場合や学校生活に影響が出ている場合は、小児科にご相談ください。
👤 このページが役立つ方
- お子様の立ちくらみ・朝起きられない症状が気になる保護者の方
- 「怠けている」と誤解されていないか心配な方
- 学校を休みがちで対応に悩んでいる方
💡 この記事で分かること
- 起立性調節障害の症状と特徴
- 怠けや気持ちの問題ではないこと
- 家庭で記録しておきたい情報
- 受診を考えるタイミング
① 起立性調節障害とは
起立性調節障害は、立ち上がったときに自律神経の働きがうまく調整できず、脳や全身への血流が一時的に不足しやすくなる状態とされています。一般社団法人日本小児心身医学会によると、思春期に多くみられ、午前中に症状が強く、午後には軽くなる傾向があるとされています。なお、成人の立ちくらみ・めまい全般については「めまい・ふらつきがあるとき」のコラムもあわせてご参照ください。
② 朝起きられない、立ちくらみ、頭痛、動悸などの症状
立ちくらみ・めまい
朝起きられない
頭痛
動悸・息切れ
倦怠感
食欲低下
症状は午前に強く、午後から夕方にかけて軽くなることが多いとされています。
③ 怠けや気持ちの問題と決めつけないこと
💡 大切なこと
日本小児心身医学会でも、起立性調節障害は身体の疾患であり、本人の気持ちや性格、家庭のしつけの問題ではないとされています。「怠けている」「気持ちの問題」と決めつけず、身体の状態として理解することが、本人・保護者の不安軽減につながるとされています。
④ 学校生活への影響
午前中に症状が強いため、遅刻や欠席が増えることがあります。学校と情報を共有し、無理のない範囲で登校時間や活動を調整することが助けになるとされています。
⑤ 家庭で記録しておきたい情報
📝 受診前に記録しておくと役立つ情報
- 症状が出る時間帯(朝・午前・午後など)
- 立ち上がったときの症状の有無
- 睡眠時間、起床・就寝時刻
- 学校を休んだ日数や欠席・遅刻の状況
- 頭痛・腹痛・動悸などの随伴症状
⑥ 受診を考えるタイミング
| 状態 | 経過を見やすいとされる例 | 受診を検討したい例 |
|---|---|---|
| 頻度 | 時々、立ちくらみがある程度 | ほぼ毎日、朝起きられない |
| 学校生活 | 通常どおり登校できている | 遅刻・欠席が増えている |
| 症状の強さ | 少し休めば改善する | 動けない、失神したことがある |
| 経過 | 数日で自然に落ち着く | 数週間以上続いている |
※ あくまで一般的な目安です。この表だけで判断せず、迷う場合はご相談ください。
⑦ 他の病気との区別が必要なこと
立ちくらみや朝起きられない症状は、貧血や甲状腺の病気、心臓の病気など、他の病気でも起こることがあるとされています。自己判断で起立性調節障害と決めつけず、医療機関で他の病気の可能性を確認することが大切です。
⑧ 保護者が避けたい対応
⚠️ 避けたい対応
- 「気合が足りない」「怠けている」など、本人を責める言葉をかける
- 無理に早起きさせる、無理に登校させる
- 自己判断で市販薬やサプリメントだけで様子を見続ける
起立性調節障害は身体の疾患であるという理解のもと、本人のペースに合わせた対応が大切とされています。
⑨ 小児科で相談するときの準備
当院の小児科では、症状の経過を伺いながら、起立性調節障害の可能性や他の病気との区別について相談を承っています。診断には「新起立試験」など専門的な検査が必要になる場合があり、当院での対応が難しいと判断した場合は、適切な医療機関をご案内することがあります。受診の際は、家庭で記録した症状の経過をお持ちいただくとスムーズです。
⑩ よくある質問
起立性調節障害は治りますか?
症状の程度によって経過は異なりますが、軽症の場合は数か月程度で改善することがあるとされています。改善に時間がかかることもあるため、経過を見ながら相談を続けることが大切です。
怠けているだけではないですか?
起立性調節障害は自律神経の働きに関わる身体の状態とされており、本人の気持ちの問題ではないとされています。
学校にはどう伝えればよいですか?
学校と症状の状況を共有し、登校時間や活動内容について相談することが助けになるとされています。当院でも診断書や情報提供についてご相談いただけます。
何科を受診すればよいですか?
まずは小児科にご相談ください。他の病気との区別が必要な場合は、適切な医療機関をご案内することがあります。
サプリメントや市販薬で様子を見てもよいですか?
自己判断でサプリメントや市販薬だけに頼らず、まずは医療機関で症状の背景を確認することをおすすめします。
子どもの立ちくらみや朝起きられない症状は、怠けや気持ちの問題ではなく、身体の状態が関わっていることがあります。本人を責めず、症状が続く場合や学校生活に影響が出ている場合は、早めに小児科にご相談ください。
📚 参考情報
- 一般社団法人日本小児心身医学会「起立性調節障害」(日本小児心身医学会 起立性調節障害ページ)
- 本記事の内容は、みなとファミリークリニック院長が2026年9月時点の一般的な医学情報をもとに監修しています。個別の診断・治療方針については受診時にご確認ください。